車住族21:停泊地(キャンプ場)

季節的移動

アメリカのキャンパー達、特に引退した後車で旅行しながら生活している人達は「Snow Birds スノーバード」と呼ばれています。雪のような白い頭をした渡り鳥という意味です。

彼らのキャンピングのパターンは暖かい季節は北の涼しい所または緯度の高い高地、冬になると暖かい砂漠地帯に移動して過ごします。夏のキャンプ地はたくさんあるのですが冬に過ごせる場所は比較的限られいますのでたくさんの人達が同じ場所に集まるようになります。

彼らは春から秋の間は過ごしやすい北部や山岳地帯の緯度の高い場所で過ごします。しかし冬になると気温が低くならず過ごしやすい場所は限られてきます。ラスベガスの南部のコロラド川周辺からメキシコ国境に近い砂漠地帯です。西部地域が多いのですが、理由は西部地域に安く滞在できる場所が多いからです。長期間キャンプ生活をしている人達は冬になるとキャンプ場で過去にあったことがある知り合いに遭遇することが多いようです。

西部:無料の政府の所有地(BLM)

スノーバード達が好んで過ごす場所が連邦政府の所有地である BLM (Bureau of Land Management=土地管理公社) の管理する土地です。ほとんどの場合 BLM の管理する土地の指定された場所でキャンプする場合は無料です。しかし14日間だけという期間の制限があります。無料には理由があるのですが、ほとんどの BLM 管理地は自然のままです。水道も電気も下水も何もありません。この場合「ブーンドッキング」と言ってキャンプ中の必要物資は全て自分で賄わなければなりません。

西部:荒野でブーンドッキング

前記のBLMの土地と似ているのですが、もっと荒っぽく辺鄙な道の奥地に行き水も電気もないところでキャンプするやり方です。BLMは一応アメリカ政府の所有地で、キャンプについての規則があります。しかしこちらは規則も何もないところでキャンプをする方法です。

東部:有料のRVパーク

ビジネスでキャンプ場を提供しているところはアメリカ中たくさんあります。有料のキャンプ場を利用する場合は電気、水道、下水はキャンプ料金の中に含まれます。車の電気水道設備に接続できるようになっています。これらのキャンプ場にはコインランドリーやシャワールームも設置されていて快適に過ごせるようになっています。しかし料金がかかります。特にクラスAのような大型車両の利用料金は40ドルから80ドルにもなりかなり高くなります。

東部の方にはBLMの管理地があまりなく大型のキャンピングカーの場合は有料のキャンプ場を利用することになります。すると長くいればいるほど利用料金が高くなります。

ウォールマートの駐車場

ウォールマートはアメリカ中に店舗がある大型店ですが、店舗の駐車場にキャンピングカーが駐車することを「許容」している数少ないお店です。従ってRV利用者の間では駐車ができるお店として有名でたくさんのRVキャンパー達が駐車場で一夜を明かす場所として利用しています。

しかし「許容」しているというのは駐車場で一夜を明かすのを見逃してくれるということだけです。車の外にテントや椅子を広げ調理をするなどは全くのマナー違反。ウォールマートの従業員に迷惑をかけないようにビジネスを邪魔しないように注意しなくてはいけません。

それでも迷惑なことをする人達も多いようでユーチューブの動画でウォールマートの駐車場で見つけたマナー違反を指摘している動画もたくさんあります。せっかく好意で駐車場を利用することを「許容」してくれているのにこんなことをされたら嫌われて自分たちが利用できなくなってしまうではないかこんなマナー違反は止めて欲しいと悲しい訴えをしています。

注意しなくてはいけないのは駐車ができるのは大体郊外の大規模なウォールマートです。ウォールマート一店舗だけで広い駐車場を所有している場合です。集合モールの一角に店舗を借りて営業している小規模なウォールマートの場合キャンパーは駐車できない場合がほとんどです。というのはその集合モールの所有者はウォールマートの経営をしている会社ではないからです。

ウォールマート側の規則としてはキャンパーが駐車場で一夜を明かすことを許可する権限はお店のマネージャーが持っているそうです。最近は拡大解釈をして大型トラックまで泊まることもあり駐車禁止の所も増えて厳しくなっているようです。

市街地でのキャンプ

大きなRV、例えばクラスA、クラスCやまたは牽引キャンピングトレーラーの場合は大都市の市街地での駐車はほとんどできません。できるとしたら郊外の倉庫街ぐらい。

旅行の予定に大都市が入る場合、車中泊をしたい場合は改造商用ワゴン車キャンパーや乗用車バン、プリウスを利用する方が賢明です。小型車になればなるほど車中泊の自由度が上がります。市街地で駐車し車中泊で一夜を明かすには市街地で走っている普通の車に紛れてキャンパーだと分からなくする必要があります。その場合当然のことですがプリウスのような普通車が便利なのです。

カリフォルニア州では市街地での車中泊自体を条例で禁止している都市が多いです。理由なのですが特に南カリフォルニアは過ごしやすいため車中泊やキャンピングカーでの宿泊を容認しているとどんどんキャンパーが集まってくるのです。

ユーチューブにRVの路上駐車について厳しくなかった当時の昔の動画がありますが以前ベニスビーチではたくさんのキャンピングカーが路上駐車を続けていました。彼らの理由はベニスビーチ最高。キャンプして過ごすならここ以外にはない。こんな素敵なところは無いというものです。

高い金を出して住宅を買い生活をしている住民には堪りませんね。自分の住宅の前の道路にキャンピングカーがタダで長期間駐車して景観と静かな生活を台無しにしているのです。

キャンピングカーのオーナーの人達に取っては車が家と言いますが、同じ価値観を持たない人達に取っては車に乗ったホームレスにしか見えないのです。

無料・格安キャンプ場をネットで探す

ネットが発達した現在では無料キャンプ場や格安キャンプ場をネットで探す方法がたくさんありあます。free camping というキーワードで探せばたくさん出てきます。中には市街地の路上でここは安全だという書き込みまであるサイトもあります。

以上、アメリカの車住族はどのようにしてキャンプ場を利用しているかについて書きました。

続く:

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

コメント

  1. きなきなぷー より:

    なんかアメリカも日本も似てるな、と感じました。郊外の大型のショッピングセンターでは車中泊などはしませんが、日本では道の駅というのがあり、そこに夜一晩泊まらせて頂く事がありますね。  
    キャンプ場も金額的には似ていますね。  でも、道に車中泊、、というより、車住 というのは、やはりあんまり宜しくはないですよね。  キャンピングカーに乗って、どこでも生活できる、というように思う方々は、アメリカでも日本であっても、ちょっと自分勝手な使い方をされる方々、、、おりますね。  「許容」されているのを良いことに、好きにやられてしまうと、「許容」されなくなってしまい、楽しめなくなってしまいますから、節度を守る気持ちを持って頂きたいものですね。

    • kirohan より:

      コメントありがとうございます。
      多分ほとんどの人達はマナーを守っていると思うのです。中にはゴミまで拾って綺麗にしてゆく人達もいます。しかし一部のマナーを守らない人達は本当に目立つのです。困りますよね。

      最近見たユーチューブの動画では7人組の若い男子たちがキャンプしていた後に大量のごみを置き去り。それを観察していた女性ユーチューバーが掃除をしていたのがありました。多分面と向かっては何も言えなかったのだと思います。トラブルを避けるには何も言わない方が良いですね。攻撃的な人達もいますから。

      もう一つアメリカらしいと思ったのは銃弾の空がたくさん置き去りにされていたのを拾って掃除していた動画もあります。多分ハンティングか銃撃練習の後からを置き去りにしていたのだと思います。

  2. きなきなぷー より:

    やはりマナーを守って、お互いに気持ちよく、楽しめるというのがいいですよね^^