DNA検査16:白人チェロキー02

DNA検査15:白人チェロキー01 の続きです。

アメリカ人の人種による混血率

Almost every American has a sliver of Native American ancestry

この表はアメリカ人の人種別の混血割合の内訳の比較表です。

白人(ヨーロッパ系アメリカ人)
アメリカ先住民との混血の割合:0.18%
アフリカ系との混血の割合:0.19%

黒人(アフリカ系アメリカ人)
アメリカ先住民との混血の割合:0.8%
ヨーロッパ系との混血の割合:24%

ラテンアメリカ人(南米系アメリカ人)
アメリカ先住民との混血の割合:18%
ヨーロッパ系との混血の割合:65%
アフリカ系との混血の割合:6.2%

上記のラテン系アメリカ人がアメリカに住んでいるラテン系か南米全体を含めたものか明確には書かれていません。私の印象では南米全体ではアメリカ先住民の割合はもっと高いように思います。

州によって偏りが大きい

サウスカロライナでは少なくとも12%の白人が1%の黒人の遺伝子を持つ。ルイジアナでは少なくとも8%の白人が1%の先住民の遺伝子と黒人の遺伝子を持つ。

アメリカ全体の白人と自分を認識している人の内の1.4%が少なくとも2%の黒人の遺伝子を持っている。別の言い方をすれば保守的に見積もって3.5%の白人が少なくとも1%の黒人の遺伝子を持つ。

白人の中で2%以上の先住民の遺伝子を持つ人はルイジアナ州、ノースダコタ州、といくつかの西部の州に多い。ルイジアナ州の8%と西部のいくつかの州の3%の白人が少なくとも1%の先住民の遺伝子を持つ。

白人はほぼ99%ヨーロッパ系

この調査の結果をみるとアメリカの白人はほとんど混血していなくてほぼ99%ヨーロッパ系です。すると過去にネイティブアメリカンと自称していたエリザベス・ワレンは他の白人と何ら変わりはないということになります。

なぜ白人は混血が少ないかという理由は前にも書きましたがアメリカには過去に「一滴ルール」というものがあり、一滴でも黒人の血が混じっている場合は黒人として生きて行かなければならなかったからです。

従って混血した人は白人社会から出てしまってしまいますから白人は白人のままで混血しないでい続けたのです。

https://ja.wikipedia.org/wiki/ワンドロップ・ルール


この二人は黒人のカップルです。(Hazel Scott and Husband)

人口調査:アメリカ先住民の子孫と名乗る白人の増加

最近のアメリカの人口調査でアメリカ先住民の子孫だと名乗る白人の数が増えています。人口調査の調査用紙に自分の人種を書く欄があるのですが、そこに白人、黒人、ヒスパニック、ネイティブアメリカンと自分で選んで記入するのです。要するに自分が自分の人種をどのように考えているか記入します。実際がどうであるのかは関係なく自称です。

2010 Census Shows Nearly Half of American Indians and Alaska Natives Report Multiple Races

こちらの記事によるとネイティブアメリカンとの混血と自称する人は2000から2010までの10年間で39.2%増加。純粋なネイティブアメリカンと自称する人は18.4%増加。混血か純粋かは特定しないがネイティブアメリカンと名乗る人は26.7%増加したそうです。

ネイティブアメリカンと自称する人の総人口は約520万人。そのうちの78%がインディアン自治区以外の場所に居住しています。

大多数は次の10の州に居住しています。California, Oklahoma, Arizona, Texas, New York, New Mexico, Washington, North Carolina, Florida and Michigan

上記の州の内 North Carolina, Delaware and South Dakota三つの州の増加率が70%と突出しています。

混血or純粋ネイティブアメリカンと自称する人達が一番多い部族はチェロキー族の 819,000人。純粋ネイティブアメリカンと自称する人達が一番多い部族がナバホ族の 287,000人。混血率が一番高い部族はブラックフィート族で74%が混血していると自称しています。

なぜアメリカ先住民になりたい?

この人口調査の結果を受けて本を書いている人がいます。なぜアメリカ人は先住民になりたいのか。

Becoming Indian: The Struggle over Cherokee Identity in the Twenty-first Century

この本のリビューに面白い意見が出ていました。

“この本の著者はなぜ白人達が自分はチェロキーだと信じるのかその理由を説明している。そしてチェロキーでありたいために更にチェロキー的なことを求めて精神的な満足感を追及しているのだと結論付けている。

しかしこの本の著者が述べるのを忘れていることがある。それは1)彼らの古い写真の中にいる色の黒い先祖を黒人と説明するよりアメリカ先住民だと説明したいのだ。2)知識のある白人達は自分達が先住民達の土地を奪ってそこに住んでいることを知っている。そのことについての罪の意識を軽くし、自分達がこの土地に住む権利を先住民の祖先から受け継いでいると正当化したいためにチェロキーだと名乗りたいのだ。”

遺伝子検査の流行は2014年以降

注意したいのはこの人口調査の結果は2000と2010のものです。2014年頃から遺伝子検査が格安になり一般人が簡単に遺伝子検査を受けることができるようになりました。そして白人達が信じるアメリカ先住民のDNAが実はほとんど存在しないことが次々と明らかになるのは2014年以降のことです。

続く:

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