トランプ13:M.コーエンの証言

トランプ疑惑12:FBI の戦い の続きです。

ブロックバスター(大見世物)、ポップコーンを用意

2月27日水曜日はトランプの個人弁護士だったマイケル・コーエンが議会で公開証言をする日です。実はこの証言は2月26日火、27日水、 28日木と三日に渡る議会証言の内の一日でした。前後の二日は議会証言をしますが一般に公開されないことになっていました。26日火曜日の秘密証言は9時間にわたる長時間。27日水曜日の公開証言は7時間でした。

この証言は元々は二月の初旬に行われる予定でしたが、トランプがコーエンの家族をターゲットにした恐喝のような ツイッター発言をしたため延期されたのです。そしてなぜかトランプが金正恩と会見する当日になりました。この会見はブロックバスター(大見世物)と言われていてポップコーンを用意して見るぞ!というコメントがネットでたくさん見られました。 全米で一体どれだけの人達が見たのか知りたい気もします。

感想

私は最初の方の一時間程見たのですが、その後は夜のニュースでまとめてみました。中継を見るのは最初の一時間だけ後はまとめで充分だと思いました。あれは7時間も続けてみることは苦痛です。民主党と共和党の議員たちがそれぞれの持ち時間5分毎に入れ替わりに質問をしていたように思います。しかし共和党の議員たちはコーエンを嘘つき呼ばわりばかりしていて生産性の無い発言ばかり。ある議員は5分間のほとんどを嘘つき中傷非難で使い質問はほとんどしていません。7時間の半分がそんな状態なら後でまとめを見た方が効率的です。しかし一時間だけでもどんな状態だったかわかるのでそれは良かったと思います。

最初の証言

証言の最初に約30分マイケル・コーエンが今回の証言で言いたいことをまとめてスピーチしました。このスピーチはコーエンが何日間も推考して作ったものだそうです。その後は各議員に割り与えられた5分間でコーエンに質問をしてコーエンが証言をしてゆくのです。彼の証言は大統領選に関連したものだけに限られています。その他の案件については発言をしないように検察局から制限をかけられています。

以下は彼が最初の証言で述べたことです。

今回ここで証言をできることを感謝します。私の証言の信頼性に問題があると言う人がたくさんいるので証拠となる書類を持ってきました。自分はトランプに忠誠を誓って働いてきたことを恥ずかしく思います。私が忠誠を誓って働き続けた人は嘘つきで詐欺師です。

私は今回彼が私宛てに書いた小切手のコピーを持ってきました。これは私が彼のために自分のお金を使って彼の浮気相手のために支払った金の分割払戻金です。この小切手は彼が大統領になった後に1年間に渡って私に支払われた小切手の内の一つです。この金の支払いは大統領選にダメージを与えないように浮気相手に支払われたものです。

2011年、2012年、そして2013年の財務諸表も持ってきました。これらはドイチェバンク等から借り入れをするために作られたものです。

新聞記事でトランプの自筆のサインのあるもの。これは彼が自分の肖像画をオークションで買い、自分が管理する慈善団体からお金を支払ったことを証明する書類です。その購入した肖像画は現在彼の経営するカントリークラブに飾られています。(下はトランプが自分の肖像画が一番高い値段で落札された。と知らせるツィード。落札したのは実は自分。)

トランプはいつも自分が非常に頭が良いと言っています。しかし私は彼の指示で彼が行った高校や大学へ彼の成績やSATの点数を公開しないように脅迫する手紙を書かされました。その手紙も持って来ました。

前回ここで証言した時は彼を守るために証言しました。(そして嘘証言で起訴され有罪になる)しかし今回は全ての人達に真実を述べるために来ました。

私は前回彼のモスクワプロジェクトは2016年6月に終わったと述べました。しかしそれは嘘でした。事実はこのプロジェクトの話し合いはその後何か月も続いていたのです。

トランプ氏は私に直接嘘をつけとは言いませんでした。そんな方法で指示はしていないのです。(例えば「今日は良いネクタイをしているね」というのが暗黙の指示なのです。彼の周りの人達はそれけで意味が通じます。)

大統領選の最中に私はロシアとの交渉を精力的に行っていたのです。彼の弁護士たちは私の議会証言内容を書き換えました。実は彼は大統領選で勝つとは思っていませんでした。 (彼にとっては大統領選は自分を大きく見せる自己宣伝の場でした) そのためモスクワプロジェクトは続けられていたのです。

ここで一旦私の紹介をさせてください。私の名前はマイケル・ディーン・コーエン。私は24年間祝福された夫で、素晴らしい娘と息子の父親です。私が妻と結婚した時、私は彼女を愛し、愛しみ、守ることを誓いました。私の父は私が子供の頃からあなたと妻と子供たちは自分の一族の一員であると言い続けました。(長くなるのでこの辺で止めます。)

後で考えると自分がなぜあんなにもトランプに魅了され、彼のために忠誠を尽くして働き続けてていたのわかりません。最初は彼の家庭内の仕事していたのですが、その後彼のビジネスの仕事にも関わるようになりました。彼は嘘をつき続けてきました。しかし長く彼と一緒にいると嘘は通常のことになってしまい誰も疑問に思わなくなってくるのです。しかしこれはアメリカ大統領としては非常に危険なことだと思います。

彼はレイシストです。彼は黒人が「指導者の国はOOOト」だと言いました。これはオバマのことを差しています。ある時シカゴの貧民街をドライブしていた時、「こんなところに住むことができるのは黒人だけだと」とも言いました。またある時は「黒人は絶対自分に投票することはないだろう。なぜなら彼らはバカだかから」とも言いました。こんな人のために自分は働き続けました。

今回過去三年間の財務諸表を持ってきました。これらは銀行から借り入れをするために作ったものです。彼は借入の時やフォーブスのお金持ちにリストするためには自分の資産を増やして財務諸表を作ります。そして税金を納めるための財務諸表は資産の額を小さくして財務諸表を作りました。(その他続く)

マイケル・コーエンはアメリカの歴史に自分が悪者として記録されて残りたく無いのだそうです。

証言と質疑応答でわかったこと

1)トランプ、ストーン、トランプジュニアはウィキリークスと事前に話を付けてヒラリー・クリントンと民主党のメールハッキングをし続けた。暴露のタイミングも一番効果的なタイミングでヒラリー陣営に一番ダメージが行くように計算していた。

2)トランプはロシア人との会合を全て知っており、それらにはマナフォート、トランプジュニアも関わっていた。

3)選挙違反になる浮気相手達への支払いにはトランプ、トランプジュニア、会計担当者が全て関わっていた。しかし現在の所有罪になったのはマイケル・コーエンだけである。

4)ニュースに流れていない金融関係の疑惑もニューヨーク州南検察が行っている。(ニューヨーク州南検察局はウォールストリート関係の金融事件に数多く関わっており全米一意欲的で厳しいことで有名。特別検察官ミューラーの案件は連邦に所属し、大統領であるトランプが恩赦を与えることができる。しかし州関係の犯罪には大統領の権力は及ばないので恩赦もできないのです。)

その他わかったこと

1)マイケル・コーエンの弁護士資格は数日前はく奪された。

2)彼の弁護費用の支払いは3年後の出所後まで待ってくれるらしい。

3)本の出版、映画の著作権、出演依頼が殺到しているらしい。

財務諸表の過大表記

翌日のレイチェル・メドーの番組ではトランプの財務諸表の過大表記について解説していました。

トランプはニューヨーク郊外の大きな邸宅を所有しています。それは1990年代終わり頃に購入、購入価格は9ミリオンドルぐらいでした。現在はその二倍以上に値上がりしており評価額は20ミリオンから甘く見積もって50ミリオンの間ぐらいと言われています。多分20-30ミリオンぐらい。

この物件をトランプは銀行から借り入れするために291ミリオンと財務諸表に記載してドイッチェバンクから融資を受けました。なんと約10倍の過大表記です。これは金融犯罪になります。ニューヨーク南検察局が爪を研いで調べに入っているのではないかと思います。

トランプは過去の Tax Return を公開していません。その理由を彼は選挙期間中に現在監査が入っているので公開できないと言っていました。しかしマイケルコーエンによると公開すると監査が入るようになる可能性があるのを恐れているというのです。実際は監査など入っていなかったのです。ここでも嘘をついています。

以上、面白いことが多すぎて書ききれません。

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