旅知識CA01:Salton Sea ソルトン海

今まで何度もソルトン海について書きましたが、ソルトン海がどのようにしてできたのかその経緯と現在の問題点についてまとめて書きます。

ソルトン海の面積と深さ

ソルトン海はカリフォルニア州で一番大きな内陸海です。水面面積は889平方キロメートル。一番深いところは13メートルです。水面面積が889平方キロメートルというのは琵琶湖が258平方キロメートルということですから琵琶湖の約3.5倍の面積があるということになります。都道府県の面積でいうと日本で一番小さい県である香川県の約半分弱の面積があります。

成り立ち

このソルトン海は約1905年にできたものです。出来た理由というのが灌漑水路を作っていた会社の水路にコロラド川で増水した大量の雨水と雪解け水が流れ込んで水路を破壊しソルトン盆地に流れ込んだからです。その洪水の流入は2年間続きました。その結果できたのがソルトン海です。

ソルトン海の生物

ソルトン海の現在の塩度は普通の海水より25%高くなっています。ソルトン海の水が淡水だった時に住んでいた魚たちは死に絶えてしまいました。現在一番多い魚はティラピアです。塩水に強い魚なので導入されたらしいです。しかしそのティラピアも夏になると高温で酸欠になり死ぬことが多いようです。また驚いたことにティラピア釣りをしている人達もいます。その上食べている人達もたまにいるようです。

1950-1960年代は人気のリゾート地

1950年頃はまだ水が綺麗でした。そのためロサンゼルス周辺の人達が集まる人気のリゾート地でした。イエローストーン国立公園より人気があったそうです。フランクシナトラ等有名人も訪れており、メディアにもたびたび保養地として取り上げられていたそうです。

しかし水質が段々と悪くなりリゾート地としての人気は無くなりました。そのため定住していた住民もこの地から離れてしまったのです。今ではソルトン海の周辺は廃墟の町となっています。

現在の汚染の原因

砂漠地帯で水は貴重な資源です。カリフォルニアの水源であるコロラド川の水はロサンゼルス市の飲料水や農業用水として使われています。もちろんタダではありません。従って間違えてできてしまった人工の海に継続して水を供給する理由はないのです。小さな川はあるようですが、その他の新規の水の流入はたまに雨が降った時ぐらいです。しかもそんな場合には水は周辺地域の農薬やゴミや化学物質を洗い流してソルトン海に流れ込んできます。

それより一番の問題はここの水は流れ出ることが無くて留まったままなのです。砂漠ですから水分は蒸発してしまい化学物質や汚染物質は残留し汚染濃度は段々濃くなってきているのです。

環境汚染と医療問題

水分が乾燥した後の粉塵は有害で大きな問題を引き起こしています。粉塵は極小で取り除くことが難しく環境汚染や医学的問題を起こしています。乾燥した地域に巻き起こる粉塵はこの地域の周辺に住む住民の肺の病気や喘息の原因になっています。肺の病気や喘息の発症率は他の地域の3倍の高さがあるそうです。すると当然医療費が高くなりますね。干上がるのを何とか食い止めないと長期間にわたり膨大な医療費が発生します。

有害物質は細かい粉塵になりますからソルトン海が干上がれば干上がるほどますます広い地域に汚染粉塵が巻き散らかされます。日本人は中国から飛来する粉塵の汚染に興味がある人が多いですね。ソルトン海の粉塵も同じように広域に細かい有害な粉塵をまき散らす汚染源になっているのです。

解決方法?

間違えてできてしまった海ではあるがこの盆地自体遥か昔は海だった歴史もあります。また渡り鳥達に取っては砂漠に見つけた貴重な水のある場所として既に生活環境が出来上がっている。その上このまま干上がってしまうと深刻な環境問題と医療費の問題も出てきます。そのためこの問題を何とか食い止めようと何年も前からいろいろな対策案が出されてきました。しかし何の効果的な対策ができないままどんどん環境は悪くなるばかりです。

2017年3月には10年計画で合計400億円のお金を使い水が干上がるのを止める計画案を提出したそうです。しかし予算が出たのがやっと90億円ぐらいだそうです。

廃墟マニアと写真家の天国

廃墟となった建物、錆びて古びた車、年代ものの粗大ごみ、魚のミイラ、広がる大地と空と雲、砂漠の植物、行き場を失った浮浪者たち。どれも写真家が喜んで撮りたがる素材です。そのためここは Photographer’s Paradise 写真家の天国と言われています。

参考記事

The Salton Sea A Brief Description of Its Current Conditions, and Potential Remediation Projects

California far from solutions as Salton Sea crisis looms  USA Today

続く:旅知識CA02:Slab City スラブシティー

 

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コメント

  1. きなきなぷー より:

    広大な国土をもつ国には色々な場所があるのですね、、。 汚染物質のたまり場、、

    知られていない事実があるのですね。

    • kirohan より:

      ソルトン海の汚染はアメリカの大きな負債になっているようです。
      何の生産性も無く、問題を解決しようとすると多大な費用が掛かるという。。。

  2. カリフォルニア州のシリコンバレーに弟と姪が住んでいるので行ったことがありますが、ソルトン海については知りませんでした。

    カリフォルニア州は広大なので、未だ知らない色々な場所がありそうです。

    コロラド川で増水した水が水路を破壊しソルトン盆地に流れ込み湖になり、一時そこが人気のリゾート地になったというのは、如何にもアメリカらしいスケールのでかい乱暴な話しです。

    深刻な環境汚染の悲惨な犠牲者は、いつも無力な住民ですね。

    • kirohan より:

      こんにちは。ウォーク更家さん。
      書き込みありがとうございます!

      私もソルトン海のことについては最近まで全く知りませんでした。ある時地図を見ていてふと気が付いたのです、なぜここにこんな巨大な湖があるのか!大きいのに何の魅力も無いのでカリフォルニアの住民の間では全然話題にもならないないのです。

      調べ始めていろいろな面白いことがわかって来ました。過去の出来事や環境問題や、写真家の天国であるということ。多少臭いですが写真を撮りたい人に取ってはとても面白い場所です。

      訪れるなら冬がおすすめです。ただし雨の降った直後はねばりっけのある泥が大敵です。靴やタイヤに頑固にくっつきます。