日本の苗字01:県別の割合と分布

今日はちょっと今までと趣向を変えて日本の姓・名字の話です。

県別苗字・姓分布

同姓同名辞典(同姓同名検索・苗字ランキング・名前ランキング)
↑こんなサイトがあります。このサイトは結構便利です。自分の苗字を検索すると全国で何番目に多い苗字か番付を知ることができます。全国順位と県別順位も探すことができます。

私もたまに調べることがあるのですが、ある日ふと思いついてデータを全部エクセルに貼り付けました。なぜなら日本全国の苗字数が13万以上もあり検索するととっても作動が重いのです。データが重すぎて時々コンピューターが止まってしまうからです。他には名前の順位だけでなくいろいろ独自の調べ物をしようと思っても私が希望する機能がないという理由です。

電話帳データ

このサイトの元のデータは全国電子電話帳のデータです。ですからここに載っているデータは日本人全てのデータではなく、この苗字の背後には何名かの同じ苗字を持った家族がいます。それが一人であるか5人であるかはわかりません。ここに出てくるデータは約3千万人分で日本の全人口の23%ぐらいしかありません。しかしかなりの高精度で日本の社会を分析することが出来ます。(私のオタク的希望としてはできれば市町村までの分布が欲しいところ。)

苗字データ分析

そういうわけで集めたデータを元にエクセルを駆使してわくわくしながら調べた結果がこれです。

表(1)

A)(読み方は別にして)日本の苗字は13万以上あります。

B)日本の上位10位の苗字が占める割合は人口全体の約1割です。
1佐藤、2鈴木、3高橋、4田中、5伊藤、6山本、7渡辺、8中村、9小林、10加藤

C)日本の上位100位までの苗字が占める割合は約4割になります。

D)日本の上位1000位までの苗字が人口全体に占める割合は約7割になります。

E)日本の代表的な苗字の上位10000位までが人口全体に占める割合は93.6%になります。

F)上位10000位に入らない希少苗字は残りの6.34%です。

G)約90000位ぐらいから日本にたった一つしかない名字になります。その数約42000個あります。

県別名字トップ5

表(2)

こちらの表は全国の各県のトップ5の分布図です。とても面白い分布傾向がわかります。
黄色い苗字はこの表の中で一つだけ。黄緑は2つだけしかないものです。

A)東北地方は「佐藤」氏が一番です。2番に「高橋」氏、三番に「佐々木」氏がつけています。
東北で目に付くのは青森県の「工藤」氏が単独で首位に立っていることです。
北海道の分布が東北地方に似ているのは東北地方からの移住が多かったからです。

B)関東地方は「鈴木」氏が一番です。しかし2番と3番に強力に「佐藤」氏がつけています。
この地方では「小林」氏も力強い地盤を持っているようです。

C)中部地方はあまり統一感がないですが「山本」氏の勢力が強いことが伺えます。

D)近畿地方は「田中」氏が強力でその背後に「山本」氏の勢力が、次に「中村」氏がいます。
しかし異色なのは三重県では「伊藤」氏が単独で首位に踏ん張ってします。

E)中国地方は近畿地方と似たような分布傾向にあり「田中」氏と「山本」氏が強い地域です。

F)四国地方はあまり統一感がありません。
しかし香川県の「大西」氏が首位にいて異彩を放っています。
徳島県は西日本では珍しく「佐藤」氏が首位にでているのが目を引きます。

G)九州地方は非常に特徴のある県が多いですね。
佐賀県と長崎県では「山口」氏が強力で首位に立っています。
宮崎県の首位の「黒木」氏と2番の「甲斐」氏、4番の「日高」氏はどれも他県では見ない名字です。

H)沖縄県は特殊すぎる苗字ばかりで黄金に光り輝いています。

多い苗字の頻出度

表(3)と表(2)の右端の割合のところ

この3番目の表は各県の上位5位までが総合で何度出てくるかの回数です。
2番目の表の右の割合というのは各県の全人口のうちこれらの5つの苗字が占める割合です。
大都会は地方からの移住者が多いため上位5位までの割合が低くなる傾向があります。

この表の中で一番特徴があるのは東北地方です。
青森県を除いてほぼ全てで上位5個の苗字の人口が20%前後の割合を占めています。
上位5位に顔を出しているのが一番多いのは田中さん24回、山本さんが21回です。
しかし田中さんは全国4位です。山本さんは全国6位です。
佐藤氏全国1位の理由は東北地方の濃密な首位と関東地方の2-3位が大きいようです。

なかなか面白いと思いませんか?

(2014年に書いた記事の再公開です)

続き:日本の苗字02:県別分布表の分析

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