ニュースを見ているといろいろなことが次々と出てきます。しかし書くのが追い付きません。(というかここで書いても独り言のようなもので収入になるわけでもなく時間がかかるだけ。Youtube なら収入になるかもしれませんが、アドセンスは誰もクリックしないので効果なし。だから書きたい気持ちとかかる時間を量りにかけてぼちぼちと書いているだけなのです。)
最近の注目は民主党の大統領候補です。
目次
民主党候補アンドリュー・ヤン人気急上昇中
民主党の大統領候補で台風の目になりそうな人が台湾系の候補者アンドリュー・ヤン。彼の父親は台湾系の大学教授の移民で特許をたくさん取っているらしい。彼は二世代目で弁護士。弁護士だがIT系の企業を起こした実業家です。日本のメディアでまだ誰も彼のことについてあまり書いている人がいないと思いますのでこれは注目記事です。
彼のモットーは「トランプと正反対の数学ができるアジア人」「右向きでも左向きでもなく前向き」しかもテクノロジー進化の配当として国民一人に毎月1000ドル配給するという政策を掲げています。こんな途方もない政策を掲げている彼がなぜ台風の目になりそうなのかを説明します。
第一回目の民主党の討論会
マリアン・ウィリアムソン:
第一回目の民主党の討論会での注目はこの人マリアン・ウィリアムソン。ディベートの合間に上手く食い入り超短時間で自分の言いたいことを簡潔鮮明に言い放つ流暢さ。あまりにもお見事でびっくりしました。ディベートで遠慮をしていたら何も発言できません。
今まではどんな人か知らなかったのですが、調べてみると人気のある黒人テレビ司会者のオプラ・ウィンフリーの番組によく出ている人でスピリチャル系の指導者のようです。政治的発言が多く大統領候補に立候補したらしい。彼女は三回目のディベートには参加資格が得られませんでした。理由は民主党の人気投票データで充分な上位得票率を得られなかったからです。それでも一回目と二回目の討論会に参加できた程の支持者はいました。
カマラ・ハリス:
もう一人の注目はカリフォルニア州選出の上院議員カマラ・ハリス。彼女は前副大統領のジョー・バイデンの人種発言をとらえて黒人として傷つくと発言をして注目されました。
彼女は元検事であるためか事前に調べ上げて準備をして相手の弱点を突くのが上手。上院の公聴会で司法長官のウィリアム・バーをやり込めていました。かなり頭が良いと思われる弁護士出身のウィリアム・バーを手玉に取ったやり方をみると彼女がトランプとディベートするとどうなるかが見ものなのですが大統領候補にまでなるかどうかは不明。現在の調査では人気度4位です。もし大統領になれなくても司法長官としては素晴らしい人材だろうと言われています。
彼女の弱点は黒人でありながらあまり黒人に支持されていないこと。理由は両親ともアメリカ出身ではないのです。母親はインド系。父親はジャマイカ出身の黒人との混血。しかも家系的にはプランテーションのオーナー家系だったようです。プランテーションの持ち主と言えば奴隷を使って方です。しかしながら両親は幼い頃に離婚。父親はジャマイカへ帰っておりほとんど交流は無いようです。そして彼女は黒人として育てられ、自分は黒人だと考えています。
もう一つ黒人が支持しにくい理由の一つが彼女は検事だったため多くの黒人犯罪者を裁いたと非難する人がいるのです。政治家であるといろいろな理由をつけて相手を陥れる人達がいますのでなかなか難しいですね。彼女の美点はその話方と笑い方。とても自信に満ちていて華やかで心地良いです。
アンドリュー・ヤン:
この第一回目の討論会ではここで書こうとしているアンドリュー・ヤンは2分半しか発言していません。他の人の発言に配慮しすぎたためか一番発言時間が少なかったようです。陰謀論として討論会の司会をしたテレビ局MSNBCはアンドリュー・ヤンが好きではない、無視していると憶測する人達がいます。
第二回目の民主党討論会
エリザベス・ワレン:
二回目の討論会で注目されたのはこちらのディベート。民主党は左寄りすぎて社会主義だとトランプや共和党を批判し続けているのですがその点をついて右の候補者がエリザベス・ワレンを批判しました。するとエリザベス・ワレンは大統領候補選に出るだけでも大変な苦労と努力が必要なのに最初からできないことを避けて大統領に立候補するのはあり得ない。大統領として難しいことにチャレンジしたいから立候補するのだとやり込めました。
エリザベス・ワレンは貧乏な平民家庭に生まれ奨学金を得てハーバード大学に行きました。(父親は清掃夫だったらしい)ディベートのチャンピオンになったのも奨学金を得られた理由のようです。勉強家でいろいろな政策を学びそれらの知識を駆使して次から次へと政策のアイデアが溢れ出てくるようです。そのため支持者が多く現在民主党の人気では2位です。
トランプは彼女が過去にアメリカ先住民と名乗っていたことを批判し続け「ポカハンティス」とあだ名をつけて呼んでいます。彼女は遺伝子検査の結果0.1%の先住民の遺伝子があったと発表しています。しかし以前にも書いたように一卵性双生児の遺伝子の検査結果ですら2%の誤差が普通。0.1%の遺伝子検査の結果は人類皆兄弟レベル。
しかしこれは彼女が悪いわけではないのです。
オクラホマ出身の白人達は祖先から伝えられてきた伝承を信じ続けているのです。それが当たり前と思い信じ込み変ではないかと他の人から指摘されるまでわからないのです。親や祖父母から言われたことが嘘だと思う子供は誰も思いません。遺伝子検査など無かった1980年代にアメリカ先住民と名乗っても彼女が悪いのではないのです。
アンドリュー・ヤン:
この二回目の討論会はCNNがホストをしました。そのホストの仕方は他の候補者についてどう思うかとお互いを批判させるような問いかけが何度もあるものでした。しかしその質問に対してアンドリュー・ヤンは批判の時間を惜しむように自分の政策の話に切り替え滝のように自分の政策を言い放ちました。第一回の発言時間の少なかった失敗で学んだのだと思われます。他の候補者を批判すると印象が良くないのを回避しながらその時間を自分の政策主張に費やす賢いやり方でした。
アンドリュー・ヤンの政策と理由
ネットで支持層が広がる:
アンドリュー・ヤンが大統領候補に立候補したのは2017年の12月頃で他の候補者達より一年以上前から活動を開始していました。2017年の大半は政策についての考えをまとめ本を書くことに費やしていました。
しかし大統領選への活動を始めても最初は彼のことを誰も知りません。やっと注目され始めたのは彼が人気のあるラジオトークショーに出てからだそうです。そのトークショーからネットで注目され急激に人気が広がっています。ネットで支持層が広がるのは多数の熱狂的な支持者が増えやすい利点があります。
彼の政策と言い分:
アメリカの中西部で仕事がなくなったのはロボット化・自動化・IT化によるものでアメリカ中の仕事が激減している。移民が原因ではない。アマゾンはアメリカ中の小売業を閉店に追い込んでいる。しかもアマゾンは税金を全く払っていない。小売業で働いていた人達は仕事を失ってしまった。アマゾンの倉庫自体もロボット化していて従業員は少ない。従業員の給料から得る税金も入らない。これは現在の制度が悪いからだ。現在の状況に合わせて制度を替えなければならない。
解決方法としてアマゾン等のネット販売に付加価値税を付け税金を徴収する。自動化した企業に税金を課す。それを財源に18歳から64歳までのアメリカ人一人に毎月1000ドルの配当を行う。配当とは現在産業の自動化・文明化の配当である。前例がある。アラスカではオイル配当としてアラスカ住民全員にお金を配っている。毎月1000ドルのお金を得ることができれば田舎でも地域活性化につながり地元経済が潤い税収が増える。だから1000ドルの支払いが全て税金の支出になるわけではない。1000ドルを払うことで税収の増加も見込まれる。
民主党内の人気度急上昇:
最新の民主党の調査ではなんと5位につけてしまいました。今年3月頃にまだ無名だったサウスベンド市の市長ピート・ブダジャッジ(ブダジャッジという名前はイタリアマルタ島の名前でチキンの持ち主という意味)がハーバード卒業、7か国語を操る頭の良さと真面目な政治的姿勢が注目されて支持を伸ばし5位になっていたのです。しかし、、、
なんと最新の調査ではアンドリュー・ヤンはピート市長の位置を奪い上昇を続けています。
トランプ支持者層に食い込み
アンドリューヤンの政策の特徴はトランプ支持者層の仕事を無くしたアメリカ内陸部の人達にもアピールします。彼の政策はトランプ支持者層の間でも支持を伸ばしています。現在の所はトランプ支持者の内の10%の支持を得ているそうです。
彼の政策と言い分が理論的で納得のゆくものであり、しかも毎月1000ドルがもらえるというのであれば支持したい気持ちにもなります。ネットの書き込みを見ると猛烈な支持者がどんどん増えているのです。
しかもトランプの支持母体である保守派テレビ局 Fox News が彼のことを何度も取り上げているのです。エリザベス・ワレンやカマラ・ハリスはあまりにもトランプ支持ばかり打ち出す Fox に嫌気を出して出演をしないと明言しています(Fox News の支持母体は共和党なので出ても民主党の投票に影響しないまたは自分の出身州の投票に全く影響しないからだと思われます)
しかしピート・ブダジャッジやアンドリュー・ヤンは積極的に出演しています。ピート・ブダジャッジの場合は出身州がまさに中西部、アンドリュー・ヤンは自分の政策が彼らに受けると計算しているのだと思います。無名に近いアンドリュー・ヤンの場合はメディアで取り上げてもらえるだけ儲けものかもしれません。
右派でも左派でも後退派でもなく前進派
ジョー・バイデン:
現在の民主党の一番人気候補はオバマ大統領の副大統領だったジョー・バイデンです。彼の一番の強みは人気のあったオバマ大統領の副大統領だったこと。人気黒人大統領の補佐だったことで黒人層にも人気があります。
しかし彼の強みは後ろ向きの人気です。オバマ時代の融和を取り戻そうと言い民主党左派との討論会を避けるのは弱い印象を与えます。そのため支持率は下がり続けています。その下がり続けたパイを他の候補達が取り続けている状態なのです。
民主党自体としてはエリザベス・ワレンやバーニー・サンダースの社会派的な具体的理論より大統領選でトランプを倒すことが一番重要なことと思っているようです。具体的な政策など必要ないのです。民衆にアピールでき投票をしてもらえる候補者が欲しいのです。事実トランプは具体的な政策など無く”Make America Great Again”というスローガンだけで選挙選を勝ちました。
ジョー・バイデンの強みはトランプと同じような白人男性であるためトランプが攻撃をしにくいという利点があります。しかしその一点だけ。政策の特徴が後ろ向きすぎます。
もっともトランプも白人支配を取り戻すという後ろ向きなもの。後ろ向きが似ていると言えばにているがもう少し現代に近い後ろ向き。
アンドリュー・ヤンの前向き姿勢
アンドリュー・ヤンは自分は自分が民主党の候補になった場合トランプに勝てると言っています。理由はジョー・バイデンが選ばれた場合はトランプを選んだ人達がトランプを選んだ理由がなくなる。事実トランプはオバマが大嫌いでオバマ時代に作った政策を壊すことにほとんどのエネルギーを費やしています。無駄なことばかりしています。
アンドリュー・ヤンは自分が選ばれたら現在のテクノロジーの進化に合わせた政策をすると言っています。Not Left Not Right Forward がスローガンです。彼は頭が良い。
また彼と支持者がかぶっている野球帽は MATH と書かれています。Math は数学という意味ですが、Make America Think Harder なのだそうです。トランプのスローガンは Make America Great Again でしあ。
現在の支持者層
彼の支持者層はネットで燎原の火のように広がっています。彼の政策を知らなかった人達が注目をして支持をし始めたらさらに爆発的に支持者が増える可能性があります。来年の民主党候補選びまでどれだけ支持率が伸びるのかかなり見ものです。
トランプ自体が突然出て来て人気が出て来て大統領になった予測不能のアメリカ大統領選。もしかしたら現在一部のメディアにも無視されている状況の彼が爆発的人気を得て初のアジア系大統領になるかもしれません。いや、そうなってしまいそうな予感がします。