最後にトランプ関係の記事を書いたのは3月の初めでした。既に半年ほど経ち状況がかなり変わってしまったので説明が大変。とりあえず一番最近の注目すべきことを書きます。
目次
ツイッターと熱狂的支持者の脅威
トランプは共和党の大統領です。しかし現在の共和党は昔の共和党とは違いトランプ党という感じになっています。トランプと意見が違う政治家で議員に執着の無い人達は共和党から離党したりしています。再選を考えている人達はトランプに反論することは無く沈黙をしています。
理由ですが、トランプに反旗を翻すとトランプからツイッターを使って攻撃されるのが怖いのです。トランプのツイッターのフォロアーは6千万人を超えています。その中には熱狂的な支持者がたくさんいてトランプが個人攻撃をすると様々な形で攻撃をされるのです。
トランプの個人弁護士だったマイケル・コーエンがトランプに反旗を翻した時多数のトランプ支持達がコーエンの家族を個人攻撃して恐怖に怯えていました。
アンソニー・スカラムッチの言い分
8月の初旬に元ホワイトハウス広報官だったアンソニー・スカラムッチが突然メディアに登場。トランプを批判し始めました。
スカラムッチはトランプ政権で10日間働いた後クビになった人です。クビにはなったのですがトランプ支持者としてマスコミに登場していた人です。(こちらの写真はテレビのトークショーで彼の物まねをしているコメディアンの隣に座っています)スカラムッチはイタリア系のニューヨーカーで都会的ですが口先が滑らかすぎてかなり軽すぎる印象がある人物です。
彼の出演したニュース動画をいくつか見て彼の言い分を聞きました。こちらのCNNの動画が一番最初の方のものですが、ニュースキャスターの顔が印象的でした。今更何を言いたいのか聞くだけは聞こう的な不可解な顔をしています。
別のニュース番組のホストは「今更あんな奴のいうことは聞きたくないこの番組には出て欲しくはない」と言っていました。「どうせまた注目を浴びたいだけだろう」的な扱い。要するに過去にそんな印象を与えていた人物なのだと思います。
しかし私は興味深かったので彼の言い分を聞きました。彼の言い分はこうです。
自分は短期間でホワイトハウスの仕事はクビになったがずっとトランプを支持して来た。しかし最近のアメリカの人種間問題を助長してアメリカ社会を分断するような彼のやり方には賛成できない。共和党の中にも同じように思っている人達はたくさんいる。しかし彼らは皆怖がって表立って反対意見を言うことができない。
ニュースのホストがトランプがそのような人間であるのは大統領になった頃からわかっていたのになぜ今頃そのようなことを言うのかと聞きます。
スカラムッチは一番のきっかけは最近の4人の白人でない女性の下院議員達に自分の国に帰れという言い出したこととだ。彼はアメリカ社会を分断しようとしているもうこれ以上支持できない。というのです。
スカラムッチは政治家ではないので大統領選に出るつもりはない。しかし共和党の政治家達が勇気を持ってトランプに反対できる体制をつくる運動をするつもりだそうです。
Joe Walsh 共和党の大統領候補選へ
8月の後半になり突然出てきたのが「元下院議員、現在ラジオショーホストの Joe Walsh が共和党の大統領選に立候補してトランプにチャレンジ」というニュースです。下院議員だった期間はごく短期。ティーパーティブームに乗って当選したからのようです。
彼は共和党の中でも特に右寄りで民主党を攻撃してたようです。過去にオバマをイスラム教徒だと言ったり、ヒラリー・クリントンの中傷悪口を散々放言してきています。そのことをインタビューで指摘されると泣きそうな顔をして過去のことは謝罪すると言っていました。
左のホストの女性の顔も「今更何を言うか」的な顔で印象的です。
彼の言い分でよくわからない点があります。彼がトランプ支持はこれまでだと思ったのはヘルシンキでトランプがアメリカの諜報機関よりプーチンを信用すると言った時だそうです。プーチンとのヘルシンキ会談は2018年7月のことです。彼の現在の仕事であるラジオショーの視聴者はトランプ支持者が大部分の番組。その番組で一年間どんな話をしてきたのかが気になります。
ラジオ番組は翌週の朝ラジオ局へ出勤途中でクビになったという知らせが入ったそうです。
共和党の大統領候補選一番乗り Bill Weld
Joe Walsh が共和党の大統領選に出ると名乗りを上げましたが、実は彼より先に共和党大統領候補選に出馬を表明している人がいます。元マサチューセッツ州知事のビル・ウェルドです。
彼が共和党の大統領候補に立候補したのは今年の初め。かなり前のことです。立候補理由はトランプの二期目を阻止するため。過去に現職の大統領が同じ党内から別の候補者が出た場合現職の大統領が大統領選で再選された事例が無いのだそうです。そのことを立候補の時に述べていました。
彼は共和党なのですが、自由党的な人でトランプの極右的な態度とは異なります。トランプに比べるとかなりまともな人に見えますがまとも過ぎてあまり注目もされることが無く存在感は弱い印象です。
下院議員ジャスティン・アマシュ
Mueller Report が公開になってしばらくしたある日共和党の下院議員ジャスティン・アマシュは突然ツイッターでトランプ批判を始めました。理由は Mueller Report に書かれているトランプのしていた内容があまりにも法律違反だらけであると指摘するものでした。
Mueller Report は400ページもあり内容が濃すぎるためほとんどの人達は読んでいなかったようです。司法長官のウィリアムバーが金曜日に届けられた Mueller Reportの内容を要約したものとして月曜日に記者会見をしたのですが、内容はほとんど読んでいなくて自分でトランプに都合の良いように創作したものを発表。後から内容に付いて質問されて読んでいないことが判明しました。
アメリカの国会議員や司法関係者すら400ページの書類を読むことすらしないのです。
そんな中彼は内容を詳しく読んで叫びのように連続してツイッターに投稿を始めました。地元の選挙区での説明会ではよく言ったと言われたものの結果的に共和党を離党するしかなくなってしまいました。
求心力が落ち、ロシア頼み
このように共和党の内部でも次々と離反者が出ているのです。後の残るのはトランプの熱狂的な支持者達だけで共和党はトランプ党になってしまっています。反対意見もいうことができず、言えば放出されるだけ。現在のコアなトランプ支持者達は38%と言われています。
38%では再選は難しいと思いますが、2016年の逆転勝利の経験があるトランプはまた奇跡が起きるのではないかと期待しているようです。前回は裏側で何が行われているかわからなかったのですがいろいろと判明して来た今もう一度同じ事ができるのでしょうか。
ロシアのハッキング技術が上がり大統領選挙のコンピューターの内部に入り込み改ざんまでできるようになるとそれも可能性があるかもしれません。