スラブシティの大体の見学も終わりこれからどうしようかと考えます。一応ぐるりと車を運転してみるところは見たはずなのです。しかし来る前にネットで見たいくつかのものをまだ見ていないような心残りがあります。一体あれらはどこにあるのでしょうか。
ホームレスか芸術家
のろのろと車を運転してまわると目についたのがこれ。靴を枯れ木に絡みつけています。
近くにいた彼に聞くとこれはここの住人達が共同で作った芸術なのだそうです。
彼はこの小屋の回りに絵画らしきものを並べて置いています。聞くとここは彼の芸術作品の展示場で誰でも自由に見て欲しいということです。
彼はこのスラブシティに5年間住んでいて絵を描き始めたのは半年前からだそうです。むむむ、、、それまでの4年半は何をしていたのだろうと心の中で疑問が。。。。半年前から急に芸術家になったのでしょうか。
私がネットで調べた時に一番気になった「テレビのメッセージ」はどこにあるのだろうかと彼に聞きました。彼の答えは「イーストジーザス」にあるのだそうです。
「イーストジーザス」は午前中に見たつもりだったのです。でも奥の方に充分に行かなかったのかもしれません。そこで「イーストジーザス」にもう一度行くことにしました。
進化系芸術
「イーストジーザス」に向けて車を運転してゆくとこんな状態で立っているフォルクスワーゲンの車体が。。。この微妙なバランスが芸術なのでしょうか。。。
するとその近くにいた彼。背後にあるのは彼が昨年から制作中の芸術です。ここに7年間住んでいて昨年から芸術の制作を始めたのだそうです。ということは過去の6年間は芸術家ではなかったのでしょうか?わけわかりません。
彼は近くにあるソーラーシステムの会社が廃棄したケーブルを巻く木製の枠をもらい受け芸術作品の素材にしています。下の写真の黄色いものの輪の部分です。
最初は何色かの色のペンキを塗って芸術作品を作りました。ところが太陽の光で変色してしまったのだそうです。そこで方針を変え今はいたるところに散らばっているガラスの破片を張り付けて飾ることにしたのだそうです。この芸術作品は進化中でこれから先まだどうなるかわからないのだそうです。あなたが何年か後にまた来たらもっと違ったものになっているだろうと言っていました。
イーストジーザス
次に目についたのが落下した飛行機と倒れている人間の芸術。
空き瓶を利用した芸術。そして下の写真がイーストジーザスの門のようです。午前中はこんなところがあるとは気がつきませんでした。なるほどネットで見たものがほとんどここにありそうです。
入り口の横にこのような芸術作品が。。。これもネットで見たものです。
人形を廃車に貼りつけています。なかなか気味が悪い作品です。
これも廃車を飾り立てた芸術作品。
これが私がネットで見て気に入った作品です。古いテレビモニターを重ね合わせて塀を作りテレビ画面にはいろいろなメッセージが書かれています。
「嘘ニュース」「人生」「私を見て」「アメリカのゴミ」「真実」「おじぎ」「悪いニュース」等、と書かれています。白い背景に赤い文字で割と綺麗な状態です。白地に赤の文字が綺麗であまり古さや汚れがありません。ここ数年に書かれたのだろかと思いました。
折り紙でこんな形のものありませんですか?
雑多で良く分からないもの。
これは素人が作ったにしては出来すぎな作品。プロが作ったものだ思います。
がっくりうなだれる人物。人生でこんな気分になることもあります。
ゴミか芸術かわからないような作品群。
観光客が遊べるスポーツ施設もあります。ゴルフとボーリング場。
私は事前に調べてきておりここには公共施設というのもが何もなくトイレも売店も無いことは知っていました。しかし何も知らずに来ている人達もたくさんいるようです。水を買いたいのだがどこに売っているのかと質問している人もいました。
う~ん。。。。何なのだろう。
入り口の近くで観光客にいろいろな説明をしていたこの男性。名前を聞くとウィザードだそうです。スラブシティの魔法使い。話好きなのか気前よくいろいろなことを話してくれます。良い天気の青い空に反射したのかどうかわかりませんが、彼の眼の色はとても綺麗なトルコ石のような青でした。
彼の説明によるとここにこのような芸術作品が置かれるようになったのは約10年前だそうです。最初はここの住人たちが作った芸術作品が数個しかなかったのですが、段々と増えてゆきました。さらに作った芸術作品を置く場所が無い芸術家達が作品を持ってきてここにに置くようになりました。たまには展示のためにどこかに持って行きまた持って戻ってくる芸術家もいるそうです。
彼によると私が気に入ったテレビのメッセージは何年も前からここの住民が作り始めたものだそうです。ところがニューヨークかどこかの美術館にコピーされたものがあると言います。アイデアを盗まれたと言います。しかし私が見た感じでは割と最近の作品だと思ったのです。どちらが先なのかわかりませんが。。。
彼は熱心にいろいろ説明してくれましたが、彼の近くに座っていた住民らしき人達数人は質問をしても面倒くさそうな表情をして何も答えてくれません。確かに次から次へとやってくるたくさんの観光客に説明をするのは大変です。ウィザードはとても熱心に働いています。お礼に近くの募金箱にチップを入れてイーストジーザスを後にしました。
続く:CA–Slab City 04 キャンプ場 1