トランプ18:傍若無人 (2)

トランプ17:傍若無人 (1) の続きです

グリーンランド購入計画、嘲笑される(8月19-21日)

8月の後半になって突然トランプはデンマーク領グリーンランドを購入したいと言い出しました。アメリカのニュースメディアはトランプの考えに一様に恥ずかしさを示していたのです。アメリカ以外の国々からは嘲笑されてしまいました。

Fuming over Greenland rebuff, Trump cancels upcoming Denmark visit

こちらのニュースによるとホワイトハウスの方からデンマークを訪問したいと言ってきたのだそうです。そして素晴らしいセレモニーで迎えて欲しいと言っていたため馬車の訓練やそのための用意をしていたそうです。しかしデンマーク政府からグリーンランドは売り物ではないと返答されトランプは気分を害してデンマーク訪問をキャンセル。

もう一つは温暖化によってグリーンランドの氷が溶けだして地表が露出しはじめたことのよって地下資源を活用する目的があったのではないかということが言われています。多分トランプになにか入れ知恵した人がいるのだと思います。(資源かなにかの入れ知恵をされたあと不動産業者の頭で単純に不動産購入のアイデアが出た???)

G7で自分のリゾート・ホテル使用を提案 (8月26日)

8月の下旬にフランスで行われたG7サミットでトランプは2020年に米国で開催されることが決まっているG7の会場を自分が所有するフロリダのゴルフリゾートホテル・Doral Resort でしたいと発言。ホテルの設備と場所がG7を開催するのに最適であると主張して物議をかもす。これが実現するとトランプは外国の税金で自身の懐を肥やすことになります。これは完全に違法です。

Here’s a break down of Trump’s Doral Resort business

虫に刺された訴訟

上記のニュースで注目されている中、同じホテルで虫に刺されたと訴訟が起こされ示談したという2017年のニュースが掘り起こされ報道された。

Trump Doral settles lawsuit over biting bedbugs

https://www.miamiherald.com/entertainment/ent-columns-blogs/jose-lambiet/article129651494.html

自分所有のホテルへ外国首脳を招いて会議を行うのは違法であると批判されていたのにも関わらず正式決定と発表。

決定の撤回(10月20日)

各種マスコミ、民主党からさらに自身の共和党側からの猛批判も受けG7の開催場所の決定を撤回する。共和党内部からの批判が撤回の原因らしい。こんなに早く撤回するなら最初から発表しなければ良いのにトランプと側近達はどんな反応を受けるか常識的な判断ができないらしい。

G7で環境会議を欠席、理由が嘘と判明

トランプはG7の会議で環境会議に出席せず。

Trump never made it to the G7 climate meeting, and world leaders say they are giving up on bringing the US back into the Paris accords

Trump, a longtime climate skeptic who once suggested global warming was a hoax perpetrated by the Chinese, shocked the global community when he withdrew the US from the landmark Paris climate accord in 2017, shortly after he took office.

トランプは長い間環境の変化は中国人が考えたでっち上げだ主張しておりG7の会議に出席しなかった。トランプの言い訳はドイツとインドの代表と先約があったからというものだった。しかし両国の代表はトランプが欠席した環境会議に出席していたためトランプとは会っていなかった。

アラスカの自然保護地区を産業利用用のオークションに(12月)

トランプは環境変化についての興味や理解が全くないらしい。アラスカの自然保護区を木材と鉱物利用のためのオークションにかけることに決定。現在管理しているのはBLM(Breau of Land Management=土地管理公社)。例のキャンプを無料ですることができるアメリカの広大な公共の土地の管理公社です。

Trump administration schedules lease sale for Arctic Alaska lands

https://www.reuters.com/article/us-usa-alaska-drilling/trump-administration-schedules-lease-sale-for-arctic-alaska-lands-idUSKBN1XF2P5

ハリケーン・ドリアン進路図加筆(8月末ー9月初)

トランプは8月下旬に来襲したハリケーンドリアンの進路について述べたツイッターでドリアンはアラバマを通ると言ってしまった。これは地域の住民にとっては一大事であるので気象庁はあわててアラバマを通る可能性は全くないと発表した。

間違っていたと誤ればよいのにトランプは執拗にアラバマに行くと主張しつづけ、ついには気象庁発表のハリケーンドリアンの経路に黒インクで加筆をして発表。しかしこのようなニュースは何百万人もみているわけですぐに捏造を指摘された。

President Donald Trump, Hurricane Dorian… And A Sharpie

カテゴリー5のハリケーン

上はドリアンの通過進路についてであるが、もう一つはハリケーンの強度についても驚くべきことを発言してみせた。カテゴリー5という大きなハリケーンはいままで聞いたことがないと繰り返して言うのだ。しかしカテゴリー5のハリケーンは彼の在任中3年間に既に何度も発生している。

Trump Caught in Obvious Lie About Category 5 Hurricanes

しかしこちらがトランプの過去の発言集。カテゴリー5など聞いたことがないと過去に何度も言っています。過去に言った自分の発言についての記憶力が非常に悪いようです。

0:01   09/24/2017:
カテゴリー5がやってくる。今までカテゴリー5というのが存在しているとは知らなかった。

0:09   09/26/2017:
何百もの竜巻のようだ。カテゴリー5だ。誰もこんな強いハリケーンを聞いたことがない。

0:20   10/19/2017:
プエルトリコはカテゴリー4にやられた。島だ。その次にフロリダだ。カテゴリー5が陸地を襲ったのは誰も聞いたことがない。

0:42   5/8/2017:
カテゴリー5の途方もない破壊力。カテゴリー5。今までカテゴリー5など聞いたことがない。カテゴリー5は飛んでもないものだ。

0:57   9/1/2017:
今までカテゴリー5というものがあるかどうか知らなかった。カテゴリー4が存在しているというのは知っていた。しかしカテゴリー5。究極のハリケーンだ。しかし残念なことに今それがやって来ようとしている。

トランプは常にその場その場で口から出まかせのこと、自分に都合の良いことを大げさにドラマチックに吹聴します。このようなことを毎日していると過去に自分が何を言ったか何が正しくて何が嘘なのかどうでも良くなるのではないかと思われます。

ポーランド訪問中止、代わりにゴルフ(8月末)

トランプはポーランドの終戦80周年記念の式典に参加するのを取りやめる。理由はハリケーンドリアンの対策をするためだそうだ。代わりに副大統領のペンスを式典に送った。ポーランドはトランプが式典でスピーチをするのを期待して待っていた。

U.S. President Donald Trump cancels trip to Warsaw

ポーランドの式典に参加するのを取りやめたトランプは代わりにゴルフ三昧をして過ごす。ポーランドの人達がどう考えるか彼らの気持ちなど全く考えていないようです。

Trump Golfs and Tweets After Canceling Poland Trip to Keep Track of Hurricane Dorian

https://slate.com/news-and-politics/2019/08/trump-golfs-tweets-canceling-poland-trip-hurricane-dorian.html

副大統領ペンスのトランプホテルリゾート宿泊(9月)

副大統領のマイク・ペンスはポーランド訪問のあとアイルランドで別の会議に出席したのだがその時にわざわざ180マイル(=約300㎞)離れたところにあるアイルランドのトランプリゾートホテルで宿泊した。当然ペンスの随行員も全員そこで宿泊ということになる。一体どれぐらいの宿泊費がトランプホテルの収入になったのだろうか。

Mike Pence stayed at a Trump hotel 180 miles away from his Ireland meetings

https://www.vox.com/policy-and-politics/2019/9/3/20847247/mike-pence-ireland-doonbeg-trip-180-miles-away-trump-hotel

米軍用機の遠回り、トランプホテル宿泊、燃料補給露見(9月)

Trump’s Turnberry resort has made nearly $200,000 from US military visits since he took office

https://www.businessinsider.com/259-air-force-crews-refueled-at-the-airport-trump-turnberry-2019-9

トランプが大統領になって以来アメリカ軍用機がわざわざ遠回りをしてトランプリゾートホテルを利用し割高な費用を支払っていたことが発覚。軍人259人の宿泊代と軍用機の燃料の補給でトランプホテルは20万ドルの利益を上げていた。これらの宿泊代と燃料費は通常のコースを通り今までと同じように米軍の施設を利用していたらはるかに安く上がっていたはずである。

以上がウクライナ疑惑が発生するまでの出来事です。

続く:

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