租税回避01:スターバックス

スターバックスが税金を回避していることが欧州で大きなニュースになっています。今回のニュースのほとんどは11月14日付けですが、実は何年も前から言われて来たことがなのです。
2012年頃も大きなニュースになっていました。20141114–EU says Starbucks Dutch tax deal may be illegal
20141114–Jean Claude Juncker_ Luxembourg past haunts EC President as Brussels slams Starbucks tax deal_The Independent2
今回話題になっているのは欧州連合(ヨーロピアンユニオン)がオランダ国がスターバックスの租税回避を手助けし低い税率の恩恵を与え不公平な利益を与えているのではないかと意見書をだし調査を始めたことです。オランダとスターバックスの関係と同時にアイルランドとアップルの関係、さらにルクセンブルグとアマゾンそしてフィアットの関係も問題になっています。さらにルクセンブルグについてはその他340社ぐらいの海外大手企業に似たような恩典を与えていることが発覚し、今月欧州連合の議長に就任したばかりのユンケル氏を危うい立場に立たせています。それというのもユンケル氏は欧州議会の議長に就任する前にはルクセンブルグの首相を18年も務めてきており彼にその責任がなかったとはいえないからです。ルクセンブルグのことについてはユンケル氏は自分の管轄外で独自に行われたことだと主張しています。ユンケル氏はこの欧州連合がする租税回避問題の調査については欧州連合の議長である自分の管轄外で調査することを誓うと述べています。なぜこのような調査をすることになったかといえば何年も前から欧州では大企業がたくさんの利益を上げているにもかかわらずわずかな税金しか払っていないこと問題視してきているからです。特にイギリスで何年も前から大きな問題になって議論が繰り返されています。Starbucks, Google and Amazon grilled over UK tax avoidance
https://www.youtube.com/watch?v=u0NaLf1oTcA
こちらの2012年のニュース動画では(1:00以降)スターバックスは「イギリスで15年もビジネスを続けて今でもさらに投資を続けビジネスを拡大しているのに税金の申告書は赤字で税金を全く払っていないのはおかしいのではないか」と非難しています。次にアマゾン(2:20以降)は欧州の本部をルクセンブルグにおいていると答えています。イギリス人に取っては当然むかつく返答でしょう。20141114–Starbucks’ Dutch Tax Deal May Constitute Illegal State Aid_WSJ
20141114–Tax Attraction Between Starbucks and Netherlands – NYTimes
会計上の租税回避のやり方はこうです。これらの多国籍企業は多額の売り上げがあるのですが利益を少なくするためにいろいろな経費を計上します。それがたとえば「スターバックス」という商標権を所有する関連会社を作り、高額のロイヤリティを支払い経費として落とします。そしてその商標権を受け取る会社を税率の低いオランダやルクセンブルグ、アイルランドに置くのです。

困ったことにこれは会計上違法ではないのです。だから政府は頭を抱え庶民は怒りを爆発させているのです。そしてこれが違法ではないのならこんなことをして利益を上げる大企業とそれらの恩恵を与え利益を享受するオランダやルクセンブルグ、アイルランド等の租税回避国のモラルの問題だと糾弾しています。

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20141114–EU Accuses Netherlands on Starbucks tax deal
20141114–EU says Starbucks’ ‘very low’ Dutch tax deal may be 20141114–Jean Claude Juncker_ Luxembourg past haunts EC President
20141114–Starbucks・ Dutch Tax Deal May Constitute Illegal State Aid_WSJ
20111114–The Tax Attraction Between Starbucks and the Netherlands_NYTimes

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