外来種02:野生のラクダ

オーストラリアでラクダ大繁殖

初めてオーストラリアで野生のらくだ走り回っているのを見たときは衝撃を受けました。あんなことになっているとは全く知らなかったのです。オーストラリアと言えばカンガルーの国ですよね。でもなんと野生のラクダがオーストラリアの砂漠を走り回っているとは思っていませんでした。びっくりしました。

Australian Feral Camel Management Project 2013
https://www.youtube.com/watch?v=bqZM4XSP9S8
オーストラリアにラクダが輸入されたのは1800年代です。当時まだ未開発地だったオーストラリアの内陸の砂漠地帯に荷物を運ぶために輸入されたのでした。らくだは砂漠での生存に強いですから当時は荷物運びに最適な動物だったのだと思います。

ところが鉄道が発達してもうラクダが必要でなくなった時にらくだを殺害して処分しようとしたのだそうです。それを可哀想だと思った当時のらくだ使いの労働者だったインド人達が逃がしたのだそうです。それがオーストラリアの野生ラクダの初まりでした。

現在のラクダの頭数の実際はわからないのだそうですが80万頭から100万頭、もしくはもっといるかも知れないといわれています。しかしオーストラリアの広大な砂漠地帯で移動しながら生息しているので実数ははっきりわからないのだそうです。だだ繁殖率を計算すると8年程で倍増する勢いで増えているのだそうです。

ラクダを減らす努力

それだけ増えすぎるといろいろな実害が出てきます。郊外の農場では牧場の柵を壊されたり、砂漠のほかの動物達の水を飲み干したりと自然への影響も出ています。仕方なくオーストラリア政府は多大な予算をかけて毎年ラクダを大量に撃ち殺しています。

Al Jazeera World – Camels in the Outback
https://www.youtube.com/watch?v=mlTTgjYAFR0
そのようなオーストラリアのラクダの悲惨な殺害方法を知ったのがラクダを友とするアラブ人のこの男性。この人は子供の頃からラクダとともに生活をして育ってきました。オーストラリア人が大切なラクダを無駄に殺すのは我慢がならない。何とか別のもっと友好な利用の仕方がないかとオーストラリアにわざわざ調べに来ました。この動画はそのドキュメンタリー動画です。

この動画の中ではアラブ諸国に売る方法を提案したり、肉を有効利用する方法を探したり、政治家に会って理由を聞くいたり、ラクダの被害を受けている農場の人と会って話を聞いたりいろいろしています。

結果なのですが、毎年ある程度はアラブ諸国やインド方面にも輸出しています。ラクダ肉を処理する精肉工場もあります。しかしラクダ肉を好んで食べる人達がオーストラリアにはいないので開店休業状態。政府に聞くと農場の人達から苦情がたくさん出ているので何とかしようとしているその対策がラクダを撃ち殺すことなのだそうです。また農場の人に聞くとラクダを一頭捕まえて精肉にしても200ドルぐらいにしかならないのでそんなことをする手数を考えると、ラクダを見たらすぐに撃ち殺した方がはるかに効率的だとの答えです。農場の人は「あなたがラクダを可哀想だと考える気持ちはわかるが実際にラクダの被害を受けているのは私たちなのだ」と言っています。

彼はラクダ可愛さで走り回って話を聞いています。しかしすぐに何とかなる答えを探すのは難しそうです。しかもこうやって彼が答えを探している間に(8年程で倍増しますから、)毎年何十万頭も増えてゆきます。たとえ数万頭分の有効利用を考えついたとしてもそれ以上に増え続けています。

このアラブ人の方はラクダのことだけを考えていますが砂漠には他の動物も住んでいます。従ってらくだが水や草木等の生活必需物を大量消費すれば別の動物達の生存権を奪われてしまします。やっぱり撃ち殺すしかないのでしょうか?でも少なくともラクダが肉食獣でなくて本当に良かったですね。これだけでかい動物が肉を求めて移動していたら砂漠の動物達は食べつくされてしまいますよ。そんな状態を想像するとジュラシックパークみたいで怖いですわ。

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